MYTH IN MOTION

六本木にあるギャラリー、KOTARO NUKAGAにて、ロサンゼルスを拠点に活動し、若くして世界から注目されてきたコア・ポアと、南米のアマゾンのウイトト族にルーツを持ち、第60回ヴェネツィア・ビエンナーレにも参加しているレンベル・ヤワルカーニ による二人展「Myth In Motion」が開催されています。

イギリス・エクセターに生まれたコア・ポアは、イギリス、イラン、アメリカをバックグラウンドに持ちます。

複数のアイデンティティに対し身体的な理解を持つコア・ポアは、ペルシャ絨毯、中世イスラムの写本、中国絵画、浮世絵など幅広い視覚的伝統からインスパイアされた作品を発表してきました。この展覧会では「タイガーシリーズ」のペインティングを展示し、朝鮮半島の社会政治風刺、哲学的寓意、神話上の守護者など、東アジアにおける虎の多様な象徴性を参照とし、これらの国々の芸術家が虎のイメージをどのように共有し、それぞれの文化の中でどのように独自の意味を与えてきたのかを探求しています。

一方、レンベル・ヤワルカーニ は、祖母によって日常の中で語られた神話や先祖の逸話などの物語に強く影響を受けてきました。

彼のペインティングに登場する色鮮やかな動物、植物、精霊、人間、そしてアマゾンの熱帯雨林に生息する他の生物は、互いに目に見えないレベルでつながっているかのように描かれており、それらを英知の源として再認識しています。

レンベル・ヤワルカーニ の作品では、神話とは硬直した過去を語る物語ではなく常に彼らと共にあり、西洋中心的な規範によって押し付けられてきたアイデンティティとは異なる体系を持った生き生きとした日常なのです。

KOTARO NUKAGA