2022年 4月 14日TRAVELING FOR ART
NAOHIRO TAKAHASHI
神宮前にあるギャラリー、EUKARYOTEにて高橋直宏による個展「standing on the balls of the feet」が開催されました。
高橋直宏は2020年に金沢美術工芸大学大学院博士後期課程彫刻分野を修了、現在は金沢を拠点に主に木を素材とした人体彫刻を制作しています。
彫刻の歴史は、彫刻を接地させる台座のあり方がテーマとなり、アレキサンダー・カルダーが目指した重力からの解放など、物理的空間への抵抗によって推し進められてきた側面があると言えるでしょう。
高橋直宏が試みる木彫は、その素材の重量感と、制作上の身体的負荷を強いる技法でありながら必ずしも歴史と同じ様に、物理的空間における重力からの解放ではありません。
3DCGやVRといった実際の空間に存在しない立体的作品がありえる現代においては重力や立つという行為の中にありながらもどうやって軽やかになれるかを目指しているのです。