RIKA NOGUCHI

六本木にあるタカ・イシイギャラリーにて、写真家、野口里佳の個展が開催されています。

野口里佳は微視と巨視を行き来するような独自の視点、人間の謎に触れるような対象の選択、透明な色彩と詩情豊かな写真作品で国内外に知られ、写真の世界だけに留まらず現代美術の国際展にも数多く参加しています。

タカ・イシイギャラリーでの2回目の個展となるこの展覧会では、近年の映像作品「光る海」と砂丘にて撮影した新しい写真作品約14点が発表されました。

映像作品「光る海」はコロナ禍の2021年に、野口が暮らす沖縄の浜辺を撮影した映像作品です。

海の向こうに思いを馳せながら、野口里佳は浜辺で起こる小さな出来事を記録していきます。

パンデミックにより移動することが難しくなる中、旅を通してさまざまな被写体に出会ってきた野口里佳の制作活動は大きく制限されてしまいました。

しかし一方でその制約は、想像の力で世界を豊かにしようする野口里佳の表現者としての意志を揺るぎないものにしたのです。

TAKAISHII GALLERY