2024年 6月 12日TRAVELING FOR ART
SATORU AOYAMA
目黒にある目黒区美術館にて目黒区出身の現代美術作家青山悟の展覧会、青山悟刺繍少年フォーエバー「永遠なんてあるのでしょうか」が開催されています。
「永遠なんてあるのでしょうか」という言葉は、青山悟が近年取り組んでいるテーマで、時代とともに 社会から姿を消そうとしている様々な「消えゆくもの」への問い かけのメッセージです。
青山悟は、刺繍という美術作品に用いる技法とは程遠い手段で作品を制作しています。
手仕事としての刺繍が、ミシンという工業機械に取って代わられることには、現代社会における労働や資本主義の問題が示唆されると同時に、ミシンで大量生産される製品と美術作品の違いとは何かという問題も示されています。
さらに、刺繍は女性がするものという伝統的な男女の役割に対しての問題も浮かび上がらせます。
青山悟は、刻一刻と変化する私たちの生きる社会が抱える様々な問題に対し、常に敏感に反応し、ミシン針でチクリと風刺をきかせます。







