2025年 11月 16日TRAVELING FOR ART
SHIGEO TOYA
六本木にあるギャラリー、シュウゴアーツに戸谷成雄の新作個展「視線体:半彫刻」が開催されています。戸谷成雄は「視線体」と名付けたシリーズに2019年以来取り組んできました。
今回披露された「視線体:半彫刻」では彫刻に「半」という言葉を付していますが、これはどのような彫刻的思考に支えられたものでしょうか。
ギリシャ時代前には、レリーフ(浮彫)があり、「レリーフから彫刻へ」という連続性を前提とした展開をしているとするのが西洋近代彫刻史における通説と言われています。
戸谷成雄の「半彫刻」は、その流れを逆転して、「彫刻からレリーフへ」と向かいます。
ただし戸谷成雄が目指すのは「半彫刻」としての半分見えない不可視の領域を持つような彫刻のあり方の可能性なのです。






