2021年 2月 16日TRAVELING FOR ART
SKY SHADOW ALLEY
南青山にあるアートサロン「SCENE」にて辰巳菜穂の個展「空、影、路地、-Sky,Shadow,Alley-」が3月5日まで開催されています。
辰巳菜穂さんはGoogleアースのストリートビューを使い世界中をバーチャルに旅して周りそこで見つけた様々な風景を作品として描く作家です。
実際に訪れたことのないアメリカの街角や片田舎の風景をそこに存在する光や影から感じた空気感を見事に絵画作品にします。
描かれる風景の画面はクールな感じの印象ですが実際にその場の雰囲気を知ることなく描くことである一定の客観的な熱量で風景が絵画化されるからなのでしょう。
今回は、青空、影、路地という展覧会名の示す通りに青い空の印象的な景色やありふれた路地などを丹念に描いていますが人物や馬などの新たなテーマも加わっています。
展覧会はアポイント制ですので事前に予約をしてから見に行くことをお忘れなく。
グーグルアースのストリートビューで行ったことのない街の風景を探して描くという独特の制作アイデアはインターネットの時代だからこそと言えます。
青い空に椰子の木がくっきりと浮かび上がる景色が印象的ですが風景の細かい部分を省略することで独特な雰囲気を出します。
お店の看板がとても効果的に描き込まれていますが日差しを感じる影の描き方も素晴らしいところです。
看板や椰子の木が見事に描かれていますがストリートビューならではの画面のズレなども描いています。
アクリルガッシュをよく使いますが最近は油絵具でも描くそうです。
今までは風景だけを描いていたのですが今回は動物や人なども描いていて今後はさらに増やすつもりだということです。