TORU KAMIYA

谷中にあるギャラリー、SCAI THE BATHHOUSEにて神谷徹の個展が開催されました。

アクリル絵具による繊細な色のグラデーションが特徴的な神谷徹の絵画は、モチーフをもたず、その表面は刷毛の跡さえ見分け難いほど滑らかです。

マットな塗り込みによって光の反射を極力抑えた画面がもたらす色彩の磁場は、展示空間と見る者の意識の両方に静かに作用しているようです。

ギャラリー会場の特徴をふんだんに生かした高さ6メートルにおよぶ大作を軸に、約15点の新作絵画が単体、および数点の組み合わせで展示されるこの展覧会では、パンデミックを経て画家に生まれた一定の視点の変化とともに、彼がこれまで取り組んできた色面構成の展開が結実した展覧会となっています。

SCAI THE BATHHOUSE