2022年 4月 18日TRAVELING FOR ART
TOSHIKATSU ENDO
谷中にあるSCAI THE BATHHOUSEにて5月14日まで遠藤利克の個展が開催されています。
遠藤利克は、鉄、木、火や水、(空気)、といった素材を使用した圧倒的な物質感の表現で鑑賞者を魅了してきました。
7年ぶりとなるSCAI THE BATHHOUSEでの個展では、木や鏡を使用した彫刻と平面作品で構成された、重厚な空間が展開されます。
中心となるのは、黒く炭化した柩の形状をした立体とそれに対峙する壁面に掲げられた鉛の「空体」です。
遠藤利克の制作プロセスにおいてしばしば“燃やす”という行為がとられ、この柩の形状をした作品「空洞説ー鏡像の柩」も焼成されることによって作品が完結しています。
現代の、先の見えない状況に対しての問題提起をしているようにも感じられる作品群において遠藤利克の思考はより広義な人類と社会の成り立ち、文明といった極めて原初的なところにあるといえます。