WOLFMANG TILLMANS
アートフェアやギャラリー巡りなどを紹介するTRAVELING FOR ART、今回は東京のギャラリーから写真展を紹介します。
六本木にあるWAKO WORKS OF ARTギャラリーでドイツ人で人気の高い作家、ヴォルフガング・ティルマンスの久しぶりとなる展覧会が開催中です。
WAKO WORKS OF ARTギャラリーでの開催は実に6年ぶりとなるこの展覧会では初公開となる最新の写真作品を中心に構成した展示を見る事ができます。
毎回、展覧会をするにあたり展示するギャラリーの精巧なミニチュアモデルを作りそこに展示構成を作り上げてから実際の展示に臨むというティルマンスの完璧な展示は作品の素晴らしさを一層際立たせます。
今回も壁面の全てを使い、額装した作品、ピンで留められただけの作品、壁に直接貼られた作品、映像作品など様々な方法で展示された作品が一つとなりティルマンスの作品世界を堪能できる空間が作り上げられました。
作品の美しさや捉えるものの見方の斬新さもさることながらそれらを見事に構成された空間で見る事ができる絶好の機会になっています。
窓辺に置かれた花瓶に入った花。光と陰の中ふとした瞬間を捉えました。ティルマンスの静物の写真は大変に人気があります。
カーペットのような厚手の生地のシワを捉えた作品。ブルーの色がとても印象的ですが初期のティルマンスによくあったようなイメージでティルマンスのファンには懐かしさもある新作です。
巨大なプリント作品が印画紙のままピンとクリップで壁に留められています。ティルマンスはこうした面白い展示方法をよく使います。
これもティルマンスがよく使う展示方法で写真を直接的に壁に貼るという試みです。レイアウトも計算されているのでそれぞれのイメージが共鳴し合います。インビテーションにもなった黄色い花のイメージがとても美しいです。
緩やかに折り曲げた髪を真横から撮影した作品はまるで何か他の美しい金属のような質感で思わず見とれてしまいそうです。
ティルマンスが紹介されている雑誌のページを切り取って壁に張っています。イメージの反復や対比がとても面白い展示です。
やはり雑誌のページを壁に貼った展示ですがここでは作品も一緒にレイアウトしています。赤い花の作品がとても素敵ですが作品は初日にほぼ完売してしまいました。