2024年 12月 25日TRAVELING FOR ART
YOSHITOMO NARA
原宿にあるギャラリー、BLUM 東京にて、世界的に評価の高いアーティスト、奈良美智の個展が開催されています。
ここ 1 年間に生み出された作品を多く含むこの展覧会において、奈良美智はモノクロームの描線によるドローイング、抑制された色使いのペインティングなど、切りつめられた造形による表現の可能性を追求しています。
直感と身体性が創造の根幹にある奈良美智にとって、ドローイングはきわめて重要な営みです。
アーティストとして活動し始めた初期の頃から、ノートの切れ端、郵便で届いた封筒、段ボールの断片など、身近にあるさまざまな紙の上に、瞬間のひらめきを捉えながら自由に筆を走らせてきました。
そこには、繊細な線やポップな色彩によってみずみずしい創意が定着されてきました。
奈良美智の制作の中心であり続けてきたドローイングですが、近年はその趣に変化が見られます。
手元の視界の中に鉛筆やポールペンなど比較的細い線描によって親密な表現世界を築き上げてきたこれまでのドローイングとは異なり、近年それらはよりモニュメンタルな性格を強めているようです。