2022年 11月 21日TRAVELING FOR ART
YUKO OKAZAKI
六本木にある小山登美夫ギャラリーにて陶芸家 岡崎裕子の新作展「私を紡ぐもの」が開催されました。
この展覧会では、岡崎裕子にとって大事な要素となる「古く、よいもの」ー幼少期からなれ親しみ、憧れた中国、韓国、北欧の陶磁器を自分なりの解釈で昇華し、オマージュした、新境地となる作品が発表されました。
岡崎裕子は笠間の陶芸家・森田榮一氏に弟子入りして4年半の修行の後、茨城県窯業指導所の釉薬科/石膏科を修了した後、2007年横須賀にて独立し、制作活動を続けています。
草花、トンボなど自然をモチーフとした清々しく温かみがある作品や華麗な経歴をふまえて陶芸家となった大胆な道のり、丁寧な日々の生活ぶりはメディアにも多く取り上げられてきました。
岡崎裕子は自身が「器とともにある日常の豊かな暮らし」を体現していますが、その世界観が多くの人々を魅了しているとも言えます。
今回の新作は、岡崎作品の重要なルーツともなる、歴史性、時の重なりに焦点が当てられていますが、作品には、記憶や時間、自然や名作との出会いの感動という無垢な気持ちが織り込まれているようで、それはこれまで作家が積み重ねてきた経験の結晶なのです。