絵でしか描けない世界を感じる作家、南谷理加

絵画でしか表現できない世界を見ることがとても好きだ。

小山登美夫ギャラリーで開催されている南谷理加の展覧会はまさにそういった思いを叶えてくれる展覧会だ。

南谷理加の絵を最初に見たのは2年ほど前の千代田アーツでのアートフェアの展示だった。

6枚ほどの絵が展示されていたがそこには絵画でしか表現できない世界が描かれていてこの見知らぬ作家の才能に驚かされた。

どんな作家なのか知りたくなりSNSでコンタクトを取ってみると南谷理加は東京藝術大学で制作をしているとのことで、キャンパスへ訪ねて行くこととなった。

多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業した南谷理加は東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻で制作をしていたからだ。

シャイで多くを語らなかったが、スタジオには無造作に描いた絵や描きかけの絵が床に置かれていたり壁にかけられていた。

絵画、特に油絵でしか表現できないというのはなかなか説明が難しいが、これは絵画でしか表せない、または伝えられないという何かが宿った絵とでもいうのだろうか。

まだ20代そこそこの小柄な女性から湧き上がる創造のパワーに圧倒されて惚れ惚れした気持ちになった。

小山登美夫ギャラリーでの展覧会タイトルである「黙劇」は、パントマイムの日本語訳だ。

南谷理加はこの訳を知って昔見たパントマイムの「なにかをしているふり」と、彼女自身の絵の中の人物などが繋がったという。

また同時に「黙」として言葉を語らないモノである絵画の性質とも共通項を見出した。

絵画でしか表現できないような登場人物達が様々な物語の一片を演じるような独特の世界を巧みに描くこの作家の類稀な才能はこれからも見て行くのが大変楽しみである。