NOT ART BUT TREASURE VOL.7

美術ジャーナリストの鈴木芳雄氏がアートなお宝を紹介する「作品じゃないけどお宝です」
VOL.7 は「宮島達男展のインヴィテーション」です。

 

 

昨年は国内で宮島達男さんの作品を見る機会が多くあった。

7月〜今年1月、森美術館「STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ」にも参加していたし、また、千葉市美術館で9月〜12月「宮島達男 クロニクル 1995−2020」という回顧展的な展覧会があり、とても見応えがあった。

さらに、11月〜12月、SCAI THE BATHHOUSEでの新作個展「Uncertain」も。上の写真はその展示風景である。

10面のサイコロ(1〜9の数字と一面だけ空白。つまり0は無い)を振って、出た数字を組んで作品にするというもの。

ご存じの通り宮島さんは、7セグの数字(縦4本、横3本からなる7つのパートの点滅で数字を示す)を使って、生と死、輪廻転生などを表現する作家。

その展覧会インヴィテーションのハガキ(定形外郵便)がこれだ。
下に敷いた『芸術新潮』は大きさを示すためのもの。意味は無い。

 

 

受け取った瞬間にこれは7セグ数字の7個の部分の一つとわかった。

ということは、これ以外のパーツもあるということ。よく考えると、7セグなら、横2種類(天地は共通、それと真ん中)、縦2種類(左上と右下は共通、右上と左下は共通)、合計4種類のパーツがあるはず。

ということで、インヴィテーションを送ってもらってそうな知り合いからもらったり、ギャラリーの人に余ってる分をいただいたりして、集めた。

重複があったりもして、意外にも数字は「2」しか作れなかった。
それがこれだ! 下に敷いた新聞は意味はない。

 

 

そのうちの1パーツに宮島さんがサインをしておいてくれた。

 

これもいつか額装しなければと考えている。

 

 

Tatsuo Miyajima Studio

 

 

プロフィール:
鈴木芳雄|Yoshio Suzuki
編集者/美術ジャーナリスト。
明治学院大学・愛知県立芸術大学非常勤講師。
雑誌「ブルータス」元・副編集長(フクヘン)。
共編著に『カルティエ、時の結晶』『村上隆のスーパーフラット・コレクション』『光琳ART 光琳と現代美術』『チームラボって、何者?』など。
雑誌「ブルータス」「婦人画報」「ハーパーズバザー」などに寄稿。