TAIPEI DANGDAI 2023
5月、台北で国際的なアートフェアTAIPEI DANGDAI 2023が開催された。
香港バーゼルの成功を背景に、アジアでの国際的なアートフェアを手がけるART ASSEMBLYによって特別協賛UBSで開催されたこのフェアに出かけてみたが、予想以上に見応えのあるアートフェアだった。
日本からもOTA FINE ARTSや小山登美夫、KOSAKU KANECHIKA、KOTARO NUKAGA、MIZUMA、KAIKAIKIKIなど多数のギャラリーが出展する中、台北や香港のギャラリーも多数参加していたが、なんと言っても世界的なメガギャラリーのガゴジアンとデヴィッド・ツゥブリナーが参加していたのは凄いと感じた。
アジアのアートマーケットがどうなっていくのか見るために今年は香港バーゼルにも行ったが、さすがバーゼルという感じのギャラリーのラインナップだったが台北も規模は小さいものの充実した内容のアートフェアだった。
日本のアートフェア東京など足元にも及ばぬ世界的なクオリティーと規模感がそこにはある。
なぜ日本は世界のアートマーケットからここまで取り残されたのだろうか。
いや、取り残されるというよりもすっ飛ばされたと言った方がいいのだろうか。
世界中のギャラリーがやってくる国際的なアートフェアは、コレクターやギャラリーにいい刺激であると同時に何よりも現地のアーティストたちにとって世界基準のアートを目の当たりにするチャンスを与えてくれると思う。
日本の閉鎖的な環境と内向的な気質を考えた時に国際的なアートフェアに来てもらうことほどいいことはない。
今年7月、TOKYO GENDAIなるアートフェアが横浜で開催されるという。
開催するのは台北のフェアを立ち上げたART ASSEMBLYである。
しかし、TOKYO GENDAIと銘打っているにもかかわらず東京ではなく横浜での開催なのだ。
そして、噂によると、海外の多くのギャラリーが東京の開催ではないことにマイナスイメージを抱いてしまったらしくガゴジアンやペース、ハウザー&ワース、などのメガギャラリーはどうやら来ないようである。
それが事実なら、なんと残念なことだろうか。
せっかくのチャンスなのになぜ?と思ってしまうが海外のギャラリーやアート関係者にしてみれば東京の開催でなければ横浜から東京に移動するなど手間もかかるし海外からわざわざくるのに面倒くさいのかもしれない。
例えば、東京の新国立美術館は収蔵作品を持たないレンタルスペースのような美術館でアートフェアを開催するにはぴったりの場所だと思うし、他にもビッグサイトでもいいし、東京で開催する場所はいくらでもあるはずなのだが。
なぜ海外のギャラリーにとって魅力のない横浜という立地のフェア会場という結果になったのかは分からないが今後の流れに注目してゆくしかない。
TAIPEI DANGDAI