2025年 8月 05日TRAVELING FOR ART
ASA HIRAMATSU
中目黒にある104GALERIEにて、平松麻による初の個展「Inner Existence」が開催されています。
1982年東京生まれの平松 麻は独学で絵を描き始め、2012年より本格的に制作を開始しました。
オイルペインティングを中心に作品を発表する傍ら、新聞・雑誌・書籍の挿画、執筆も手がけるなど、表現の幅を広げてきました。
幼い頃から「根来塗(ねごろぬり)」という漆塗りが好きだったという平松 麻は経年変化に美しさが宿る漆塗りのように、絵の具を塗り重ね、引っ掻き削り、さらに塗り重ねることで独自の質量を感じる画面のテクスチャーを生み出しています。
自身の中に実在する風景を探究し続け、プリミティブで寂寞とした風景をキャンバス上に表出させます。
制作において、不可視を可視化する、という姿勢を積み重ねてきた平松 麻は、雲やシーソー、土や石の塊、そして線といったモチーフを描き続けてきました。
しかし、この展覧会に向けて描いていく中で、初めて可視化できるものに不可視を確認することができたといいます。
内だけではなく外の時空で触れることができるものをモチーフとして描きながら、体内風景へと潜る制作の姿勢を投影させた作品群は、平松 麻の新境地とも言えます。