HIROFUMI TOYAMA

六本木にあるタカ・イシイギャラリーにて5月21日まで登山博文の個展「1, 2」展が開催さてています。

この展覧会では昨年11月に他界した登山博文が最後に描いた2点組の新作ペインティング「1, 2」と共に、この新作に至るまでの思考をたどる試みとして、2017年以降に描かれたペインティング作品約5点が展示されています。

登山博文はこれまで、コンポジション、色彩、マチエールなどの造形要素や、矩形の木枠や画布、絵具といった絵画の形式を作り出す素材、あるいは描き方や描く順序などを手がかりに、絵画の生成過程そのものに向き合ってきました。

それら諸要素を還元的に扱い、絵画が絵画として成立する端緒に関わろうとする登山博文の制作姿勢は厳格な論理に基づいています。

この展覧会は、近年限界まで整えられつつあった登山博文の作品の構成要素を見ることのできる貴重な機会と言えるでしょう。

TAKA ISHII GALLERY