SUWA MICHI

初台にある東京オペラシティーギャラリーの展示スペース「project N」にて諏訪未知の展覧会が6月22日まで開催されています。

諏訪未知の絵画は、そのほとんどが正方形のキャンバスに描かれ、ピンクやオレンジなども用いられるものの色彩の多くは抑制された滋味のあるものが多く使われます。

具体的な何かのモティーフを明示するようなイメージはなく、単色のなかに幾何学風のイメージが淡々と配置されています。

画面を4つに分割した作品や、左右が対称に描かれたような作品もあって、万華鏡を覗き込んだかのような画面ではイメージは重力から解放されたようでどの向きで展示してもよさそうでさえあります。

また、幾何学風といっても、純然たる幾何学形態ではなく随所に手描きのたどたどしさを感じます。

そのためか、諏訪未知の画面作品はみな、穏やかな筆致や暖色系の彩色とも相俟って、しっとりとした不思議な温もりのようなものを漂わせているのです。

TOKYO OPERA CITY GALLERY