LEE KIT

六本木にあるシュウゴアーツにて、香港生まれで台湾を拠点に活動するアーティスト、リー・キットの個展「いくつかの壊れた日々とゆび」が開催されました。

 リー・キットは、布地に描いた絵画をテーブルクロスやカーテンとして使用する初期作品から、日用品、ポップソングや映画、街中にある音や映像、テキストを取り入れたインスタレーションまで、絵画を空間的に拡張してきました。

その展示空間に漂う複雑な感情は、故郷・香港の変化する風景に深く根ざしています。

近年は、金属板に工業用スプレーで描く新たな手法を展開しています。

スプレーは混色せず、乾くのが非常に早い特性を指先で巧みに操作しながら幾層にも重ねられ、独自の表現を生み出しています。

展覧会のタイトル「いくつかの壊れた日々とゆび」 は、因果で説明することのできない怒りや痛みを内省的に抱える人物像を想起させます。

リー・キットの展覧会は鑑賞者を展示空間の中へ深く誘い込み、断片的な感情を喚起すると同時に、自由な解釈の余地を残すことで、普遍的なテーマへとつなげる力を備えています。

SHUGOARTS