2025年 11月 28日TRAVELING FOR ART
MAKOTO SAITO
六本木にあるタカ・イシイギャラリー、サイトウマコトの個展「みえるもの」が開催されています。
この展覧会では、近年サイトウマコトが取り組み始めた、抽象的な大型ペインティング作品の新作4点が発表されています。
サイトウマコトは、ルシアン・フロイドやフランシス・ベーコン、アントナン・アルトーなど、人間の狂気が刻み込まれた顔を主題に、コンピューター上でそれらを解体・再構成した網点状の設計図を制作し、これを膨大な時間をかけてキャンバス上に絵筆で描きます。
それらはまるでデジタルデータが時間をかけて受肉するかのような重厚感のあるポートレート作品で知られています。
この展覧会で展示されている新作は、デジタル上での解体と再構成の過程において収集された、多数のポートレートのデータの断片を組み合わせることで制作されました。
サイトウマコトは、モニター上でいくつものレイヤーを重ねることによって作品の完成イメージを見いだすその過程を、「風景を探す旅」のようだと語ります。
こうした作業に限らず、自身の創作意欲を掻き立てる風貌の見極めなど、これまでの制作には一貫して「みること」が通底しています。




