2023年 12月 18日TRAVELING FOR ART
SAORI MIYAKE
江戸川橋にあるギャラリー、WAITINGROOMにて三宅砂織の個展『Nowhere in Blue』が開催されました。
三宅砂織はこれまで、さまざまな経緯で出会った既存の画像を、ネガポジ反転させて透明シートの上に描き、それを感光紙の上に重ねて露光することで、ドローイングの「影」を印画するというフォトグラムの手法に取り組んできました。
近年では、フォトグラムの制作を通して深めた思考を反映させた映像作品や、日光で感光させるサイアノタイプにも取り組みながら、人間がさまざまなものに眼差しを向け、それを何らかの方法で画像化することや、画像化されたものが共有され、また新たな眼差しが重なっていくという営みの中に存在する「絵画的な像」を抽出するような試みを続けています。
この展覧会で三宅砂織は、サイアノタイプの新シリーズと、その思考を反映させた映像作品が初めて発表されました。
世界的なパンデミックの経験や生成AIの爆発的普及など、劇的に変化し続ける日常を三宅がアーティストとして過ごす中で、森林や庭園を歩くことから見出した「ランドスケープ(風景/風景画)」についての思索が反映されたシリーズ作品になります。