Screenshot

六本木にあるギャラリー、SugoArtsにてアーティスト、リー・キットによる展覧会「Screenshot」が開催されました。

リー・キットは世界各地を旅しながらその土地に滞在して作品制作と展示を行うという制作スタイルをとってきた作家です。

その場所はビエンナーレや美術館、インスティチュートやギャラリーなど世界40箇所にも及びますが2018年には原美術館でも10日間あまり過ごして美術館内やその周辺で観察した景色などを撮影して美術館内にインスタレーション作品として出現させたのです。

今回、コロナ渦で旅ができない中、ギャラリーでの展示はリモートで行われギャラリースタッフとのやりとりでギャラリー内に展示を完成させました。

突然閉ざされた世界をリー・キットがどう受け止めて感じ、作品として表現したのかは作家の展示が完璧に作り込まれたギャラリー空間に足を踏み入れるとまるで表現に包まれるかのように感じることができました。

また、リー・キットの故郷である香港が今おかれている社会事変も今回の展示に現れていますが、故郷を襲った悲劇、世界を襲った新型コロナウィリスなどを「罪」の概念に基づき「Screenshot」と題して今回の展示に至ったのです。

プロジェクターを使ったインスタレーションでは角度や重なりかたなど計算された展示です。

ダンボールの上に彩色された作品、遠い記憶を呼び覚ますようなイメージです。

この展示のためにギャラリーには壁面が作られ手前には日本の病院にあるようなついたてもわざわざ取り寄せたとのことです。

奥の壁面にはプロジェクターのイメージ、手前の壁面にはプロジェクターと壁面に直にプリントされた作品イメージと視覚のトリックのような仕掛けです。

壁面にプリントされていた作品の本物も展示されていますがこれもダンボールの上に描いています。

SUGOARTS