Season-Letter

小山登美夫ギャラリーにて中国出身のアーティストXu Ningの絵画展、「Season-Letter」開催されています。

白いキャンバスに炸裂する色と筆致、繊細さとダイナミズムが交差する宇宙のような壮大な絵画世界は迫力もありますが近くで見ると非常にパーソナルな世界でもあるように読み取れます。

小山登美夫氏が国立新美術館の終了展で目にしてその作品に目を奪われて作家に会い作品が制作された背景や着想の起源などについて話し魅了されたというのが納得できるような素晴らしい作品となっています。

日本人のアーティストとは違う東洋と西洋のミックスの考え方がダイナミックでありそうした観念はキャンバスにまるで作家の地肉となって表現されるのです。

抽象画と一言では語れない私的な表現の爆発のような鮮やかな作品は美しく力強く迫ってきます。

ダイナミックな画面は近づくと細かな表現の連続や具象的な表現なども入り混じり独特な世界です。

ネーデルランド中心の宗教絵画の研究から赤は血の象徴で愛と救済を表すというのも色使いに影響を与えているといいます。

細く薄い色で描かれた下絵のような絵の上に重層的に塗り重ねられる色と線のダイナミズムは素晴らしいです。

信じがたいほどの密度で色と形といった表現が重なりながら盛り上がりを見せますが中には具象的な表現も見られます。

中国や日本の書の持つ存在感に通ずる潔い美意識を感じさせるような抽象絵画作品だと思います。

TOMIO KOYAMA GALLERY