TAKAHIRO IWASAKI

海外で開催されたアートフェアや今東京で開催されている展覧会などを巡るTRAVELING FOR ART、今回はANOMALYで開催中のアーティスト岩崎貴宏の個展、「針の穴から天を覗く」を紹介します。

岩崎貴宏は歯ブラシ、タオル、本の栞、ダクトテープ、デッキブラシなど私たちの身の回りにある日用品を使って作品を制作します。

歯ブラシの毛が伸びてクレーンになっていたり本の栞からもクレーンが伸びていたり繊細で儚い新たな風景を作り出すのです。

日常生活で見過ごしているものを対象との距離やスケールを変えて再構築して見せることで私たちの固定された視点に揺さぶりをかけ意識を変化させるのです。

岩崎貴宏は2017年にはベネチアビエンナーレ国際美術展の日本館代表にも選出されるなど国内外での評価も高く、最も注目される作家の一人です。

繊細な線と何かの胞子のような形がグラフィカルな背景の前に配置されますが近所の看板やコマーシャルなシンボルなども作品には多く登場します。

まるで縦にした箱庭のような区切られた空間に無数の意図が張り巡らされて背後にはコカコーラロゴが見え隠れしていますが意識を揺さぶる作品です。

MOBILガソリンのシャツに手前には繊細なネット状の帯と糸で作られたクレーン、繊細で不思議な光景が小さな世界に詰まっています。

この作品も箱の中で驚きに満ちた世界が展開しますが、様々な生地や綿棒などあらゆるものが用いられ流風景の中にコンビニの看板などが見え隠れしています。

ANOMALY