KOUR POUR
過去に開催された海外のアートフェアや今東京で開催されている展覧会を巡るTRAVELING FOR ART、今回は銀座にあるGINZA6内の蔦屋に併設されたギャラリー「THE CLUB」にて開催中の展覧会を紹介します。
ロサンゼルスを拠点に活動するアーティストのコア・ポアによる展覧会「Fallow」では2019年に「THE CLUB」で開催された個展の後に作家が旅して回った日本の土地の地図をモチーフにした抽象的な作品や「Maranasati」と呼ばれるシリーズの作品で構成されています。
「Maranasati」シーリーズではペルシャのミニチュア絵画をさらに進化させ、チベット絵画に見られる薬草や楽器、日本の伝統的な料理や飲み物、空間に浮かぶタントラ教のシンボルなど様々なイメージが繊細に、色鮮やかに描きこまれて見るものに瞑想と癒しを与えます。
今回は初公開となるトラをモチーフにした作品もありますがそのイメージの源泉は明かされず謎めいた来訪者として描かれています。
2019年、THE CLUBでの展覧会の後にコア・ポアは日本を旅して回りましたがその際に訪れた土地の地図を抽象的な作品として描きました。
ロサンゼルスの作家ですが日本や東洋に深い影響を受けた作家は色彩などにもその独特の感性が見られます。
独特な風貌に赤や白、緑などの原色を散りばめた配色で描かれた虎は実に堂々としています。
古来より虎は中国、日本、韓国など色々な国で描かれて来たモチーフですが今回の虎はどこから来たのかは明かされず謎のままです。
ペルシャのミニチュア絵画をさらに進化させたシリーズでは細かい描写や東洋的な色彩など繊細な魅力が感じられます。
ロサンゼルスを拠点に活動する作家と分かっていても東洋的な絵の存在感にどこか懐かしさのような親も感じます。
