MIZUMA ART GALLERY
過去に開催された世界のアートフェアや日本で開催されているギャラリーでの展覧会の様子をお届けするTRAVELING FOR ART、今回はMIZUMA ART GALLERYにて開催中の「Uninterrupted Wanderー不断の彷徨」をご紹介します。
2020年は新型コロナウィルスのパンデミックによって世界は一変し人々の生活は大きく変化を強いられざるを得なくなりました。
この世界的な一大変化によって当たり前だった暮らしは失われ新たな日常生活を送る中、なんでもない日々がどれほど大切だったかを気づかされたり新しい在宅での生活も可能なのだなど新たな発見もあったのではないでしょうか。
MIZUMA ART GALLERYではそんな2020年の最後の展覧会としてこの1年を様々な思いで過ごしてきた作家たちのグループ展を開催しています。
コロナ渦においてもその手を止めることなく作品を通じて表現を続けてきた作家たちの作品を一堂に集めてみることでそれぞれの創作への思いを感じられる展覧会になっているのです。
驚くほど緻密に描きこまれた「アニメーションのためのドローイング」というニューヨーク在住の作家、近藤聡乃の作品です。
ブルーインパルスが空を舞った日の光景を布や紙を縫い合わせて作った青山悟の作品ですがこの作家は緊急事態宣言が始まってからすぐにオンラインストアで毎日作品を即興的に縫い上げて作り発表しました。
幼少より精神世界などに興味を持ち主に妖怪や精霊、神々などの目に見えない存在を描いてきた作家の金子富之の作品は力強い巨大な龍や虎といった神の使いのような存在たちでした。
アメリカ在住の池田学はペンなどを使って細かい集積を描きこみ絵画作品を完成させてゆく作家ですが、今回のロックダウンではスタジオでの大きな作品作りにも取り組めず不安な思いを絶えず感じてきたと言います。
森淳一は故郷である長崎の戦争の記憶や傷跡、それを背負ってきた歴史やその歪みを静かに見つめて作品に落とし込んできた作家です。
江戸時代の遊女や美しい女性像を描き続ける作家の山口藍は今回は着物の端切れや和紙などに見事な色彩と線で数々の女性たちを描きました。