DAISUKE FUKUNAGA

アートフェアやギャラリー巡りなどを紹介するTRAVELING FOR ART、今回は六本木の小山登美夫ギャラリーにて開催中の福永大介の個展「はたらきびと」を紹介します。

5年ぶり6度目の個展では大型作品を含む新作のペィンティングが発表されました。

今回、作家はバイトなどの身近な働く場においての「働いている人々」を描いていますが働いている人が働いている時のユニフォーム姿で寝転んだりしている姿を多く描いています。

働く人としてのパーソナリティーであるユニフォーム姿でいながら働いていない時のパーソナリティーの行動である寝転ぶという姿をさらけ出していることに作家は興味を持ったのだそうです。

働いている時と働いていない時のパーソナリティーがユニフォームの働く姿で寝転ぶ光景によって共有されているのが興味深いと言います。

独特な人物や風景の洞察力と描き方、淡い色の使い方や細部への描きこみ方もこの絵に異質な雰囲気を与えていてどこか非現実的な感じもいたします。

どこの紳士かと思うようなエレガントな雰囲気の男性の傍らにはヘルメットが置かれています。働いている最中のひとときの休息時間でしょうか。

何お仕事なのかは不明ですがここでも仕事場で休息する人が描かれます。画面の人物と物の配置などとても面白い構図に収められています。

工事現場で沢山の物にまみれた中で道具入れのベルトを外して寝転ぶ人はやはり休憩中でしょうか。色のセンスがとても独特で素晴らしいです。

背中に何かを背負ってスマートフォンを見ながら歩く人は何の仕事なのか不明ですが背景の壁の質感や色合い、テクスチャーなどもとても見事に描かれています。

作業着のまま野原で寝転んで休憩する二人の男性が描かれています。見下ろしたような視点がとても面白い視覚的な効果を生んでいます。

頭にヘッドライトをつけたまま薄暗い部屋のソファにもたれて眠っている男性。

一体何の仕事なのでしょうか、グレーで描かれた薄暗い部屋の雰囲気が独特です。

 

TOMIO KOYAMA GALLERY