TYO3-TYO4

青山にあるAKIO NAGASAWA GALLERYにてアントニー・ケアンズの展覧会「TYO3-TYO4」が227日まで開催されています。

「TYO3」と「TYO4」は2020年に制作された最新作ですが2019年に開催されたアルミプレートにロンドンの夜の風景をプリントした作品展「CTY」展に続く展覧会となります。

夜の都市を探求するような作品を制作するアントニー・ケアンズですが今回の展覧会は東京(TYO)で撮影された作品のみで構成されています。

アントニー・ケアンズは撮影したイメージを暗室内で操作してそれを支持体となるものにプリントすることによって作品を制作します。

今まではイメージは抽象化されることが多かったのですが今回は明らかに東京とわかるイメージがプリントされ壁面を埋め尽くしています。

それは今回の支持体に選んだ1970年代のIBMのコンピューター用紙というものが関わっているようですが東京のテクノロジー化した街の夜景が1970年代に生産されたコンピューター用紙の上にぼんやりと浮かび上がる様からは東京という都市への文明批評というような意味合いも読み解くことができるのです。

撮影された風景は暗室で操作され独特のイメージへと変化され、それがインクジャッとやシルクスクリーンで支持体にプリントされ作品となります。

ギャラリーの壁面を横いっぱいに埋め尽くす作品の存在感と街のイメージの空虚感が印象的です。

ギャラリー内では作品集などアントニー・ケアンズに関する関連商品を販売しています。

今回の作品に独特な意味を与える支持体に選んだ1970年代のIBMのマニュアルも展示されていました。

AKIO NAGASAWA GALLERY