I love Pablo Picasso!

ピカソの絵が好きだ!そういう人がこの世には実に多いから彼の絵は何億円もするのだが、もちろん僕にはそんなの買えないのでもっぱら美術館で実物を見て感心するばかりだ。

初めてニューヨークに行った時、まだゲルニカがニューヨーク近代美術館にあったのを覚えている。

その何年か後にスペインのプラド美術館に返還されたのだが、僕はラッキーにもニューヨークでゲルニカを見れたのだ。

しかし、せっかく見たはずなのにあまりはっきりとその時の気持ちなんかを思い出せない。

もしかしたら「なんだ、思ったよりも小さいなあ」とか感じたりしたのかもしれない。

教科書や本で見ていて思い入れだけが先走り的にふくれあがってしまった作品はいざ実物を見るとなぜかがっかりしてしまということがある。

僕にとってはモナリザがその代表格で上野の美術館に来た時に長蛇の列を並んで中に入ってほんの一瞬、通り過ぎるように見たモナリザは思ったより小さくてがっかりした。

 しかし、モナリザは描かれた時からずっと同じサイズだった訳で、思ったよりも小さいというのは僕の勝手な思い込みでしかない。

(だが、かつてナポレオンがモナリザを所有していた時に、自分のお気に入りの額に納めるために端を切ったという話を聞いた事があるのでもしそれが本当なら昔は今よりは少し大きかったのかも)

とにかく、せっかくゲルニカを見たはずなのに記憶の中の印象がおぼろげで残念である。

ルーブル美術館

それとは対照的に印象バッチリのピカソもあって、それはアヴィニョンの娘たちだ。

ニューヨーク近代美術館の宝と言っても過言ではない名作はピカソが現代絵画の夜明けを告げるかのごとくに描き、新しい絵画表現として打ち立てた金字塔的な作品。

しかし、最初はこの作品の意味を誰も分からず、ピカソが画家仲間に見せても馬鹿にされたり無視されたというから面白い。

ニューヨーク近代美術館には、「あ、中学校の美術の教科書で見た!」というような作品がごろごろしているが、このアヴィニョンの娘たちもそのひとつ。

そして、この絵に関しては最初に見た時に思ったよりも大きくてちょっと感動したし、今でもニューヨークに行くと必ず見に行くピカソの作品だ。

この絵がいかに素晴らしいのかなんて語るつもりは全然ないし、語れもしないのだが、とにかく僕はこの絵の発する存在感や生命力?的な何かに凄く惹かれるので毎回この絵の前に立ってしばらくじーっと眺めるのが好きなのだ。

ニューヨーク近代美術館

ピカソといえばその生涯を通じて信じがたいほど膨大な数の作品を制作した事で知られるが、絵画や彫刻、陶芸など実に様々なジャンルで作品を残している。

ピカソの凄いのはどのジャンルであっても彼にしか作れないオリジナリティー溢れる作品を作り出し続けた事であり、その無限の創造力は半端ではない。

また、数多い恋愛遍歴も全て制作のエネルギーとなったし、決してきれいごとじゃない人間味溢れる生涯において人間臭い作品を作り続けた天才だった。

絵を志したらピカソに影響を受けない画家はいないと思うし皆どこかで1度や2度ピカソに打ちひしがれる。

「子供は絵の天才だが、問題はいかにしてそのまま大人になるかである」ピカソの名言はそのまま彼の偉大さを物語るようだ。

ピカソ美術館パリ

ピカソ美術館バルセロナ

GAGOSIAN GALLERY