DEAR

天王洲アイルにあるギャラリー、KOTARO NUKAGAにて松川朋奈による展覧会「Dear」が開催されています。

国内外の美術館やギャラリーで作品展示を重ね、写実的なスタイルで現代に生きる女性を取り巻く社会の構造的な問題にアプローチする画家、松川朋奈にとって、KOTARO NUKAGAでの初の個展となります。

この展覧会、「Dear」にむけて松川朋奈がフォーカスしたのは、自身もその年齢に達した30代半ば前後の女性たちとの対話です。

これまでの展覧会では、社会・男性・家族や子どもといった他者による女性たちへの眼差しに係わる作品を発表してきたのに対し、今回はでは他者による価値判断から解放され、自分を軸として生きていこうとする女性たちの姿が描かれています。

これらの作品群は、現在の彼女たちから過去・未来の自分自身に向けた親密なメッセージのようなものだと松川朋奈は述べます。

それぞれのペインティングは彼女たちのリアルな日常がもととなり、揺れ動くアイデンティティを「可変的なアイデンティティ」として捉える松川朋奈によって、構成された「ひとつのナラティブ(閉じられていない物語)」として機能します。

KOTARO NUKAGA