ENRICO ISAMU OYAMA

天王洲アイルにあるTakuro Someya Contemporary Artにて、大山エンリコイサムによる個展「Abstractions / Extractions」が開催されました。

大山エンリコイサムの制作における意味・文脈形成のハイブリッド性に迫るこの展覧会では、「extraction(抽出)」という概念を手がかりに、イメージの抽象化にともなう複雑な手続きを絵画作品を通して展覧します。

大山エンリコイサムは、都市におけるマーキングと視覚伝達のエフェメラルな手段として、1970年代から80年代にかけてニューヨークで発展したエアロゾル・ライティングを拡張し、独自のモティーフ「クイックターン・ストラクチャー(QTS)」を通して多様なメディアでの制作に取り組んできました。

その中心にある絵画作品では、エアロゾル塗料の多層的な使用により、幾何学的かつ流線的でもあるQTSの形体を起点に、身体の動きが空間と時間へ与えるはたらきを追求していきます。

このように制作プロセスを持続的に編み直し、視覚のイディオムを構築していく様子は、さまざまな地理的・歴史的な時間軸に交渉する大山エンリコイサムの思考に連動しています。