2022年 3月 25日TRAVELING FOR ART
NAOKI TOMITA
4月2日まで神宮前にあるMAHO KUBOTA GALLERYにて富田直樹の作品展「ラストシーン」が開催されています。
約2年半ぶりとなるこの展覧会に向けてフィクションは描けないと言う富田直樹の作品は殆どがアーティスト自身が撮影した写真をもとに忠実に描かれています。
厚く塗り重ねられた油絵具の筆致によって変化はつけてあるものの抽象性には遠く、作品の成り立ちは非常に写真的です。
小磯良平や川瀬巴水に影響を受けているという富田直樹の絵画作品は独特の魅力が溢れています。
実直にあるがままを捉えるアプローチによって富田直樹は絵画を制作しているのです。
現代のリアリズムというべきその卓越した手法は日本の現代アーティストによる具象絵画のどの傾向にも属していません。
富田直樹の作品が際立った印象を与えているのはその作品から溢れ出る類い稀な絵画が生み出しえる真の魅力にあるのです。