TAISHI HATAKEYAMA

神宮前にあるギャラリー、EUKARYOTEにて、畑山太志による個展「親密な時空」が開催されました。

絵画制作を通して人知を超えた高次の世界への探求を続けている畑山太志は「VOCA展2023」に選出され横幅3.6mに及ぶ大作を発表しました。

昨年まではパンデミック下の世界に寄り添うように自身の内面と距離を置き、周りの環境や空間を客体から捉える試みとして、画面全体を覆う疾走感あるストロークが表現の特徴として表れていました。

しかし、今年は自身の内側に潜り込むように、じっくりと一枚のキャンバスに向き合い、大小様々な筆触と、矩形や奥行きを感じさせる形を集積していくような表現になりました。
今回は、この展覧会への作品制作前に足を運んだ白神山地で目にした、大雨と地滑りによる殺伐とした光景に影響を受けたと言います。

これまでインスピレーションとしてきた人に開かれ調和した自然とは異なった、生と死が等価値に循環していく自然の様子を目の当たりにしたこの経験から、不穏さや荒々しさが絵画表現に取り込まれ始めました。

EUKARYOTE