2023年 7月 30日TRAVELING FOR ART
YUI FURUYAMA
六本木にあるCLEAR GALLERY TOKYOにて、古山結の個展「痺れと軽快 / Numb and Pop」が開催されました。
古山結は、日常の中で見たり感じたことが制作への衝動となり、その衝動が画面にどのように顕れるのか、描くことで浮かび上がるイメージを探りながら、日本画の画材を用いて作品を制作しています。
作品で表現されている有機的なフォルムの支持体は、自ら木パネルを削ったり繋ぎ合わせることで制作されており、絵画の二次元的性質に物質的要素が加わることで、画面と支持体との曖昧な境界は形式に対する多義性をはらんでいます。
展覧会のタイトルにある「痺れ」とは、感覚が鈍化して自由がきかなくなることであり、同時に感覚が過敏になり、痛みなどの刺激が生じることでもあります。
「痺れ」を感じたとき、無感覚であったことに気が付きますが、「痺れと軽快」という展覧会のタイトルは、より自由に、軽やかに、どうしたいのかを決めながら制作していくという古山結の意識から付けられました。
絵画というフレーム内部で、メディウムと空間との関係性をリズムやバランスで再構成していく新たな表現を見ることのできる展覧会となりました。