YUKO SOMEYA

天王洲アイルにある小山登美夫ギャラリーにて染谷悠子の新作による展覧会が開催されました。

染谷悠子は2004年東京造形大学美術学科絵画専攻卒業して、2006年東京藝術大学大学院版画専攻修了しました。

2004年、町田市立国際版画美術館の全国大学版画展で、収蔵賞/観客賞を受賞し、作品が同美術館に収蔵されました。

染谷悠子はパネルにキャンバス、そして和紙を張り、そのやわらかな風合いを生かしながら、繊細な筆致と色彩で、花や鳥、樹木、動物などのモチーフが生き生きと存在する架空の世界を描きます。
鉛筆の淡い輪郭線から画面を作り始めますが、細密画のように綿密な描写にも関わらず絵全体の印象が非常に軽やかなのは、存分にとられた余白とのバランスと、水彩絵具だけが塗り重ねられるのではなく、版画用のインクも用いて瞬時に彩色していく色彩が、透明感に溢れているからです。

それらのモチーフは画面の十分な余白により浮遊感を与えられ、それらが紡ぐ物語、そしてその続きへと、鑑賞者を誘うかのように強い輝きを放っています。

TOMIO KOYAMA GALLERY