I WANT TO BE DAVID HOCKNEY
誰でもいいから好きな画家になれるとしたらどの画家になりたい?なんて考えてみる。
やっぱりピカソ?でも、女性問題で大変そうだ。
ゴッホは気が狂ってしまう。
ウォホールはSTUDIO54とかファクトリーとかとにかく楽しそう!
でも、社交界に疲れしてしまうかも?
そう考えるとアーティストって皆それぞれに激しく過激な人生を送る宿命なのかもしれない。
そんな中、なんとなく丁度良いチョイスかもしれないなんて思わせる何かが感じられる作家がデヴィッド・ホックニーである。
温和な感じ?感じたままを素直に絵に表現して淡々と暮らしているような雰囲気?
全て勝手な想像だけど、とにかくホックニーの絵を見ていると気持ちが和むし平和な気分になれるのだ。
そんなホックニーが中国を訪れた際に描いたドローイングや水彩画を集めた画集が「チャイナダイアリー」である。
ホックニーの体験した中国を紹介するこの本には水彩画やスケッチなど様々なアートの他に手記や沢山の写真も掲載されている。
そして、それらと共にホックニーの見た中国の風景や出会った人々がまるで旅行日記のように紹介されている。
中国の水墨画に影響されたような薄い濃淡の水彩画はしかしながら凄くカラフルでホックニーらしい色合い。
人々を細部まで細かく描写したスケッチやドローイングも彼らしい豊かな線の表現で見ていてとても楽しい。
なんというか、イギリス人独特の紳士的なお洒落のセンスを感じるし、アーティストとして感じたままを素直な色や線で表現するという簡単そうでいて実は難しい事もなんなくこなしてしまう凄さも感じる。
最初の個展で作品を完売させたという伝説を持つ画家、デビッド・ホックニー。
このチャイナダイアリーはもしも彼みたいに見た物を素直に、そして鋭く絵によって表現することが自由自在に出来たら旅行するのも楽しいんだろうなあと思いながら眺めているとまるで自分が中国旅行に行ったような想いに浸れる画集なのである。
淡い水彩で描かれた中国の広場の風景。何を描いてもホックニーらしい絵になってしまうから素晴らしい。
色鉛筆と水彩を使って中国の部屋の風景を描いている1枚。さらっと描いているようでいて細かい描写や線の楽しさなどホックニーらしい。
色のついた水墨画みたいな雰囲気の風景画だ。ホックニーは中国滞在中にきっと中国美術もたくさん見て彼なりの刺激を受けたに違いない。