PHARMAKON’90
1990年に幕張メッセでPHARMAKON’90という大規模な現代アートの展覧会があった。これはその時のカタログだ。
こんな贅沢な展覧会はきっとバブルの時代だったから実現可能だったんじゃないかと思いながら久々にページをめくり中を見てみる。
1990年といえばもう大昔のこと、カタログを見ながらこんな作家の作品があったのか、などと改めて驚く。
正直なところこの展覧会を見に行った時の記憶はかなり曖昧だ。
きっと凄いアートばかりずらっと並んでいたので逆にどれに決定的な衝撃を受ける事もなく脳が軽い麻痺状態にでもなっていたのかもしれない。
今となっては印象としてはこの展覧会を見た気がしないのだが現にこうしてカタログがあるしなんとなくわざわざ幕張まで見に行ったような気がするのみだ。
出展作品だが、沢山の作家の作品があるので全ては紹介出来ないものの、いわゆるポップアートの巨匠達、アンディー・ウォーホル、ジェームズ・ローゼンクエスト、ジャスパー・ジョーンズ、ロイ・リキテンシュタイン、ロバート・ラウシェンバーグ、エド・ルシェなどの作品が全て揃っている。
50年代、60年代、80年代を経てアメリカのニューヨークが世界のアートの中心地になった時代だ。
そして、80年代に頭角を現した作家達も沢山出展している。
ジュリアン・シュナーベル、ロス・ブレックナー、リチァード・セラ、キース・ヘリング、ジャン・ミッシェル・バスキア、ケニー・シャーフ、ドナルド・バチュラー、フランチェスコ・クレメンテ、ジェフ・クーンズなどだ。
ヨーロッパ勢ではマーティン・キッペンバーガーやシグマー・ポルケ、サンドロ・キーア、エンゾ・クッキなども参加している。
日本の作家も草間彌生や大竹伸朗などが展示されていたようだ。
今となっては全員が巨匠というレベルの作家ばかりだがおそらくもうこんな規模の展覧会は2度と実現しないのだろうと思う。
ウォーホルとバスキアの夢のコラボ絵画作品。ウォーホルもバスキアももうこの世の人ではないけれど作品は残るのです。今はどこにあるのだろうか。ジェフ・クーンズの作品。ハードコアポルノ女優のチチョリーナと結婚して1991年に2人で愛をテーマにしたヌードの作品群を発表した時にニューヨークのソノベントギャラリーのオープニンングに行ったのは今でもはっきり覚えている。あんなにギャラリーの空気が騒然として凍りついたようになっていたオープニングは他になかった。いずれにせよ。昔から話題満載の作家である。
JEFF KOONSイタリアの画家、サンドロ・キーアの作品。ニューヨークにPALIOというジャケット着用の高級イタリアンレストランがあってその1階にあるバーの壁面はぐるっとキーアの壁画になっていたのを覚えている。イタリアの街シエナで年に1度開催される中世から続く馬のレースみたいなお祭りの名前がPALIOというそうで中世みたいな格好で馬にまたがって走る人の迫力ある絵だった。まだあのレストランはあるのかとネットで調べたらどうやらコロナで閉店したようです。