VOL.5 FUMIO TAKASHIMA

過去にインタビューしたコレクターを再編集してお届けするCOLLECTOR Vol.5で紹介するのは高島郁夫さんです。

インテリアブランドFrancfrancの創業者でありますが大のアート好きのコレクターでもあります。

 田辺:

今日は、ありがとうございます!

 髙島:

はい!

 田辺:

質問がいくつかあるのですが。

まずは髙島さんにとってアートとは何ですか?

 髙島:

う~ん、まあインテリアの一部だよね。

どうしても商売柄というか、壁を飾る、あるいは空間を飾るひとつの要素というか、そういう感じかな。まあ、そうはいっても例えば家具とかね照明器具だとかそういったものに比べてある種まあちょっと割高なところはある。

まあ、高いものばかりじゃないけど。

田辺:

そうですね。

 髙島:

そう、だからちょっとアクセサリー的な?

インテリアの中でもアクセサリー的な感じのするものかな。

 田辺:

なるほど!

まあ色んな種類ありますものね。

例えばポストカードを壁に貼るだけでも良いですし。

 髙島:

うん、そうだね。

 田辺:

マイアミのアートバーゼルもお誘い頂いて行ってますけど。

マイアミで見るものや個人的に見るものも含めてどんなアートがお好きですか?

 髙島:

う~ん、やっぱりね、自分の好きなのはハッピーになれるとかカッコいいとか。

そういうのになっちゃうかな。

あんまりシュールなのは違うかな。

 田辺:

シュール過ぎるのは違う。

暗いとか、重いとか。

 髙島:

そうそう。

 田辺:

例えば自分の心に響いた時に買いたくなるとかそういうキッカケみたいなのってあるんですか?

よくアートフェアでピッときてますよね。

 髙島:

あ~はいはい、なんだろうね、あれね。

なんか、その時の気分で買ってるような気はするけど。

 田辺:

でも、心のどこかに触れるっていうのがないと。

なかなか動かないですよね。

 髙島:

うん、若干、お金的に価値が上がるんじゃないかな的な思惑もあるけど。笑

 田辺:

あ~ありますよね、アートフェアなんか特に!

 髙島:

はいはい。

 田辺:

Francfrancというのはインテリアを通して人の生活を豊かにするというブランドだと思うんです。

生活の中でアートとはどうあるべきというか、役割のようなものはなんでしょうか?

前にアートの本もインテリアの中にあると良いということで販売したりしてましたけど。

どうあるべきなんですかね?

 髙島:

う~ん、単純にね、空間を埋める一部だって言っちゃうと他のものも一緒になっちゃうけど。

自分にとってはアートってなんか最後のふりかけみたいなものかな。

例えばレストランにアートがポンとあって。

絵とか彫刻でも良いんだけど。

そういうのがあることによって最後にそのレストランが決まるみたいな。

 田辺:

う~ん。

 髙島:

そういう感じが凄くあるので。

あまり最初からアートっていうよりも最後にそれで決まるっていう。

そういう感じがするな。

 田辺:

しめみたいな。

 髙島:

うん。

それが凄くあるな。

 田辺:

まずは生活空間があって諸々の家具だとか雰囲気があってそれを最後にピッとしめるというか。

 髙島:

昔あのニューヨークのレストランでさ、バスキアがあったじゃない?

 田辺:

あ~はいはい!

 髙島:

いっぱい絵があるんだけどポンっとバスキアがあったりして。

ああいうのあると「あ!これ決めだな!」って思うよね。

 田辺:

そうですね。

なんか、海外行くとレストランでもアート多いですよね。

例えばデミアン・ハーストとか?

ああいうのがレストランの印象を決定的に決めますよね。

 髙島:

ロンドンのステーキ屋にあった牛のホルマリン漬けには参ったよな!笑

 田辺:

凄いですよね!

ちょっとショッキングですよね。

 髙島:

そうそう!

 田辺:

海外だとそういう風にアートの使い方を心得ている飲食店とかお部屋って多いなって思うんです。

よく話すのは日本なんかも昔は「床の間文化」みたいのがあったのに最近はやはり床の間もないし。

トイレの壁とか?まあ、玄関の下駄箱の上とかもあるかもしれないですけど。

日本の文化の中にアートの居場所がなかなかないっていうのはどうなんでしょう?

 髙島:

ないね、「決める!」空間がないよね。

 田辺:

そうですよね。

壁に釘打っちゃいけないとかね。

 髙島:

そうそう、それは感じるな、確かに。

 田辺:

かといってそういう空間を作ってまで楽しむ習慣があるのか?っていうのもあるかも知れないですね。

 髙島:

この間たまたま展示会で見つけたんだけど、キッチンのアートみたいのってあるなって思ったんだよね。

 田辺:

はい?

 髙島:

それはね、タイルアートなんだけど。

 田辺:

あ~はいはい。

 髙島:

それはまあ、別に鍋敷きにしたって良いんだけど。

でも、キッチンにこういうの飾ってあったら良いなって。

例えばフライパンと鍋の間にタイルアートが飾ってあったら良いなって。

キッチンツールがあってその隣にポンっとあったら良いなとか。

そういうのはありだな!って思ったんだよ。

 田辺:

なるほど!

 髙島:

そう、なんか、キッチンって皆アートを置かないよね、そんなに。

 田辺:

そうですよね。

 髙島:

花を置くぐらいはあるかもしれないけど。

そういう意味でキッチンって色んなツールがあって、ありふれてるんだけど。

なんかそこに一枚足すだけできっとキッチン空間が変わるなって思ったんだよね。

 田辺:

じゃあ、そういう風に新しい空間を作り出すとか?

 髙島:

そうそう!それはなんか楽しめるんじゃないかなって思ったね。

 田辺:

今まで何もなくて味気ない所にアートが入ってくるのはありってことですね。

 髙島:

うん、そうじゃないかなって思うね。

 田辺:

なるほど、海外によく行かれると思うんですけど。

海外と日本のアートの色々な状況について髙島さんが気づく点って何かありますか?

 髙島:

海外はまず、アートフェアとかに日本人は少ないよね。

だからアートに関する造詣っていうのは日本人は持ってる人はまだまだ少ないなって感じるよね。

 田辺:

そうですね、まあ、ブランドものにはお金使ったり旅行には行ってもみたいな感じですよね。

 髙島:

そうそう。

それはちょっと悲しい感じがするな。

 田辺:

ちょっと淋しいですよね。

 髙島:

うん。

 田辺:

今後ですが、ビジネス的にでも個人的にでも良いんですがアートとの関わり?といいますか、まずはビジネス的なら今おっしゃったようにキッチンとか新しい空間にアートを入れて行くみたいな?

 髙島:

うん、そうだね。

やっぱりフランフランが持っている役割って、本当に世界中を知り尽くした人達へっていうよりは、日常の暮らしの中でのちょっとしたアイデアとか楽しさとかそういうのを提供しているブランドだから。

そういう下地になるようなそれこそ何千万とか何億っていうアートに行くまでの過程の中でちょっとした手助けをするヒントみたいなね、そういうものを与えられるブランドでありたいっていつも思うな。

 田辺:

なるほど。

 髙島:

だからちょっとしたポストカードでも写真でも飾りようによってはアートになるし。

そんな楽しみ方はどんどん提供して行きたいなとは思ってます。

 田辺:

将来的に欲しいって思うようなアートはなにかありますか?

 髙島:

う~ん、欲しいと思うものね。

なんか、自分としては個人的にはやはり写真が一番好きかな。

 田辺:

なるほど!

 髙島:

だから、ハッピーにになれる写真とか自然を捉えた写真とか。

あとは多少セクシーなものがあるとか。

そういうのに興味が湧いちゃうんだよね。

 田辺:

ちょっとインパクトがあるとか?

 髙島:

う~ん、そうだね。

 

髙島さんお気に入りのアート

田辺:

なるほど、分かりました。

え~この対談の最後にはお持ちのアートを一点ご紹介頂くんですけど。

この部屋が既にアートで溢れてるんでなんなんですけど。笑

どうしますか?

どれにしましょうか?

 髙島:

そうか、どれにしようかな。

あ、でもじゃあ、あれにしようかな。

ケーススタディーハウスにしようかな。

 田辺:

あ、いいですよ。

 髙島:

ここにあるんだけど。

田辺:

あ、良いですね~

では、写真ということで、ケーススタディーハウスの写真ですね。

 髙島:

うん、あと、あれも好きだよウィリアム・クライン。

 田辺:

あ~ウィリアム・クライン!

はいはい、買いましたよね。

 田辺:

ウィリアム・クラインも人気ありますよね、アートフェアとかで。

このケーススタディーハウスは誰が撮ってるんですかね?

 髙島:

ジュリアス・シューマン。

 田辺:

ジュリアス・シューマン。

良い写真ですね、歴史的な一枚です。

 髙島:

いいよね。

 田辺:

今日はありがとうございました。

 髙島:

はい、ありがとう!

 

Francfranc