AKI KONDO

六本木にあるギャラリー、シューゴ・アーツにて近藤亜樹の展覧会、「わたしはあなたに会いたかった」が開催されています。

近藤亜樹は子供の頃から自分が見たいことやものをダイレクトに絵画表現で描いてきました。

描き起こすことでイメージの中でそれらに出会い、感動し、世界を理解することができるのです。

絵画は心が還る場所であり、れゆえに何も描かれていない真っ白なキャンバスを前にすると不安になると言います。

自分はちゃんと会いたい世界を、あたたかな世界を描けるのだろうかと不安になりますが、それはいつも孤独な闘いでもあります。

そのプロセスを繰り返す中で近藤亜樹は現実の世界に絵画の世界を重ね合わせるのです。

そこでは、長く辛い試練が起こりますが、それでも雪が溶けるように、いつか心の奥底にある誰かに会いたいと思う気持ちは溢れだすのだと言います。

そしてわたしはあなたに会いたかったと気づき、声に出すことができれば、そのこと自体が大きな癒しとなりえるのです。

この展覧会は3.6mの大作をはじめ18点の新作で構成されています。

SHUGOARTS

描かれた人間も植物も動物もぬいぐるみも、みんな誰かに会いたい気持ちを抱えているのです。

家族や友人や目には見えない存在。そして過去や未来の自分にも。

ますます力強く進化し続ける、近藤亜樹の最新作を見ることのできる素晴らしい展覧会となりました。