AKIHITO TAKUMA

有楽町にあるCADAN有楽町にて詫摩昭人の展覧会、「逃走の線/Lines of Flight:”The battle is secided in an instant, but I see to lose most of the time.”」が開催されました。

1966年熊本生まれのアーティスト、詫摩昭人は、フランスの哲学者ジル・ドゥルーズの「逃走線」を引用して二項対立をすり抜けるコンセプトで絵画制作を続けています。

油絵具の乾かぬうちに自作の長いブラシでキャンバス全体を天辺から一気に擦りおろし、現れた画面に対立軸をなだらかに混ざり合わせたと実感できた時のみ作品は完成となります。

一貫したコンセプトの中で砂漠、地平線、サクラ、都市などの風景や抽象的な様々なモチーフを白と黒で表現してきましたが、今回は昨年より発表を開始したカラー作品の新作を中心に展示されました。
修正の利かない制作工程で一度限りの美を追求する作品は息を呑むような緊張感に包まれています。

CADAN