GROUP SHOW: 5 ARTISTS

天王洲アイルにあるギャラリー、KOSAKU KANECHIKAにて、グループ展「GROUP SHOW: 5 ARTISTS」が開催されています。
このグループ展は沖潤子、武田龍、朝長弘人、平松典己、ダン・マッカーシーの作品で構成されています。

沖潤子は、生命の痕跡を刻み込む作業として布に針目を重ねた作品を制作しています。

下絵を描く事なしに直接布に刺していく独自の文様は、シンプルな技法でありながら「刺繍」という認識を裏切り、観る者の根源的な感覚を目覚めさせます。

武田龍は、偶発的にできたシミや傷から喚起されるイメージを拾いながら絵画を制作しています。

そこには彼が幼少期を過ごした田舎の森での経験や質が、視覚のみならず、聴覚や嗅覚、触覚を通して現れてくるといいます。

朝⻑弘⼈は、眼前のものがふと違って⾒える瞬間を捉え、それを絵画に起こそうとしています。

前景と背景を交互に⾏き来したり、あるものを別のものとして解釈する際の視覚内の細かな移り変わり。

これらは絵の具を重ね、拭い、跡を残していくという動作の繰り返しにも反映されています。

平松典己の絵画は、特定のモチーフから出発することなく描かれ始め、90度ずつ回転させ、数週間から数ヶ月かけて油彩を重ねていく中で事後的にモチーフを見つけるようにして描かれています。

ダン・マッカーシーはその30年以上のキャリアにおいて国際的に作品を発表しています。

ペインティングやドローイングといった平面作品と並行し制作しているのが、彼のアイコン的な作品である顔のモチーフのセラミックの彫刻作品シリーズです。

それぞれに異なる手法によって表現された作品が一つの場で共鳴するようなグループ展となっています。