YURIE NAGASHIMA

神宮前にあるMAHO KUBOTA GALLERYにて気鋭のアーティスト長島有里枝による個展「ガレージセール」が開催されています。

長島有里枝の近年の活動は作品制作だけにとどまらず多岐にわたります。

2021年に金沢21世紀美術館で開催された「ぎこちない会話への対応策―第三波フェミニズムの視点で」では、ゲストキュレーターとしてアーティストたちと対話を重ねながら展覧会を作り上げました。

また、2023年の個展「長島有里枝 ケアの学校」では、会期中に会場を自身のスタジオとして公開し、アーティストや来場者とともにパフォーマンスやイベントを開催するなど表現の幅を大きく広げています。

こうした近年の試みは、1993年のデビュー作である家族のヌード写真や、代表作であるセルフポートレイトシリーズと同じく、一貫して身の回りの大切なものに眼差しが向けられています。

それは、自分自身、家族、ペット、大切な友人や仕事仲間、日常の時間、そして親しい他者とのコミュニケーションに関わります。

今回の展覧会、「ガレージセール」では、愛猫・愛犬を捉えた新作のモノクロプリントや彫刻をはじめ、日常生活や家事の場面を切り取った「家庭について/about home」のシリーズやアメリカの各地でカメラにおさめた植物のシリーズ「wild flowers」 など、これまでに発表してきた作品に手焼きプリントのコラージュや鉛筆のドローイングを加えて再構成し、新たな作品として展示しています。

MAHO KUBOTA GALLERY