KANA MITSUNARI

下北沢にあるギャラリー、下北沢アーツにて三成花奈NO個展「semi-fiction」が開催されました。

三成花奈は山口県生まれ、服飾専門学校卒業後アパレル業界で勤務しますが、絵を描くことを諦められず、2019年武蔵野美術大学造形学部油絵学科に入学、2023年同大学卒業しました。

現在、東京藝術大学大学院美術研究科修士課程に在籍していますが、卓越した写実表現で注目を集めている新進気鋭の作家です。

三成花奈の作品は主に女性をモチーフとし、肌や髪の質感、温度、滴る水の冷たさまで伝わるような磨き抜かれた表現力の技量には目を見張るものがあります。

武蔵野美術大学在学中、三成花奈は約1年半の間イタリアの古典絵画を中心に模写に集中的に取り組み、飛躍的に技術力を伸ばしました。

そうして手に入れた表現力を用い、三成花奈は自らのテーマである、存在や事柄に関する認識の相違、そこまでの選択の揺らぎを描きます。

絵画を制作する上での多重的なレイヤーは日々の事象やその認識と重なり、出来上がった作品は下層が上層に影響し続けながら、現実そのもののように存在しています。

この個展は東京藝術大学大学院進学後の初めての個展であり、自らの表現に改めて向き合った展覧会となりました。

SHIMOKITAZAWA ARTS