PABLO PICASSO MUSEUM PARIS

今回は2018年に訪れたパリの17世紀に建てられた邸宅を美術館に改装した国立ピカソ美術館をご紹介します。

この美術館がある3区のマレ地区はかつて多くの貴族が暮らしていたエリアで美術館となっている建物は塩への税金で裕福になった人物が建てた建物なので「塩の邸宅」とも呼ばれます。

1973年にピカソが亡くなった後、親族のコレクションをもとに1985年にオープンしたこの美術館では長い生涯にわたってピカソが作り上げた様々な作品を見ることができますがピカソが亡くなる直前の90歳前後に描いた絵画作品など貴重なコレクションもあります。

スペイン生まれのピカソですが19歳の時パリで個展を開催した数年後にはパリに移り住み以後は生涯フランスを拠点に制作活動をしました。

この美術館の作品はピカソ自身が持っていたものが多く最後の妻ジャクリーンが亡くなった際に相続税としてフランスに譲渡されたものなのです。

国立ピカソ美術館では毎年様々な切り口の展覧会を開催していてピカソという20世紀が生んだ天才芸術家の足跡を豊富なコレクションで見ることができる他、ピカソと関係のあった芸術家の作品とともに企画される企画展も大変興味深いと言えます。

デッサン用紙に木炭で描かれたピカソのセルフポートレイトですが描いた線を消してまた描き直したり指や目が独特にディフォームされるなどピカソらしいドローイングです。

砂浜の人々を描いた一連の作品はピカソの究極の表現の一つだと思われますがキュビズムなど創作スタイルを変えていったその全てが注ぎ込まれているようです。

ブロンズや石膏、鉄、既存品などインスピレーションが沸いたらなんでも使って作品を作り上げたピカソの立体作品のバックにピカソの写真がありまるで本人がいるように見えます。

80歳を超えてからのピカソの絵画はますます直感的になりタッチも荒々しくなりますが子供の絵へと回帰していったかのようです。

白と黒のパステルで描かれた自画像でしょうか、インスピレーションに任せて勢いよく一気に描いた感じが伝わります。

黒と白とグレー、そして僅かなピンク色で描かれた女性のヌードですがピカソは生涯において沢山の人物画を描いたことで知られます。

重厚で重々しい構図と色使いの中、可愛らしいフクロウが主役です。

PICASSO MUSEUM