SHIMON MINAMIKAWA

大塚にあるギャラリー、MISAKO & ROSENにて、南川史門の個展「Some Painting, 1/2 Signboard and Some Vesselss」が開催されています。 

今まで数多くのグループ展や美術館など世界中で展示をしてきた南川史門ですが、今回の「Some Painting, 1/2 Signboard and Some Vessels」が示すのは、幻影的なもの、残像の導入への回帰です。ここでは、抑制された色数と最小限のマーキングによる新作の絵画および関連する彫刻的な要素の総体によって、ある種の「アフェクト」的な質が作り出されています。

それは2021年の個展「Moves」において南川史門の作品に初めて登場したもので、距離に依拠した、狭間のズレから生じた、作用としての(逐字的な)アフェクトと情動としての(心理的な)アフェクトの両方を孕むものです。

さらに南川史門は、今回もまた、現在暮らす京都の洗練された文脈に対して、高度に制御された消し去り、スプレーによる絵具の噴き掛け──非書道的なるもの──によって、遊び心に溢れた応答を試みています。

MISAKO&ROSEN