2021年 1月 06日TRAVELING FOR ART
atmosphere
過去の世界で開催されたアートフェアや今東京で開催されている展覧会などを巡るTRAVELING FOR ART、今回は児玉画廊にて開催されている宮崎光男の展覧会「atmosphere」をご紹介します。
表象しない絵画、何にも定義されたくないと宮崎光男は作品について話していますが「空気が見える」瞬間を光の反射などで可視化するような絵画作品はなんとも例え難い色彩と佇まいを放ちます。
宮崎光男が2018年から続けるこの「atmosphere」という絵画作品のシリーズでは何かを表明したりプレゼンテーションするのではなく「空気」そのものが目指されているのだそうです。
アクリル絵の具と日本画の岩絵具を同時に使い一度乾くと水では落ちないアクリル絵の具と水で落ちる岩絵具が織りなす美しい色彩と相互効果の生み出す豊かな表情は画材の絶妙な水分操作によって表現されるのです。
空気そのものを描く、そんな試みが色彩と光を画面に留めることで表現されます。
アクリル絵の具で描かれた水で色が落ちない部分と岩絵の具の水で色が落ちる部分が交錯して美しい色彩と表情を作品に与えます。
色の重なりやレイヤーの面白さには目を見張りますが黄色の存在が鮮烈で効果的です。
絵の具が厚く塗られた部分、水で流れ落ちた部分など全体が生き物のような動きを持って迫ってきます。