Painting Folding

過去に世界で開催されたアートフェアや今東京で開催されている展覧会などを巡るTRAVELING FOR ART。

今回はTakuro Someya Contemporary Artで開催されている村山悟郎の展覧会「Painting Folding」をご紹介します。

村山悟郎の表現の根源的テーマは「世界はいかに創発するか?」であるといいます。

現代における生命科学論的な思索を身体、または行為を伴った芸術的な実践へと拡張するのがその芸術なのです。

有機的に麻布を織り進めて織り上げられてできた領域へ線画を施す、その繰り返しで出来上がる巨大なペインティングは作品として美しく存在します。

現代科学の認識論において重要なコンピューター・シミュレーションを中心に「質料」を持たない制作へと展開する作品は2019年のあいちトリエンナーレにおいてAIの検知システム技術に着目して人間の知覚のあり方を表現する作品として発表され注目されました。

村山悟郎は科学技術によるシュミレーションや世界認識、ネットワーク状の情報生成など創発の科学がこれからの芸術表現のキーになると予測しているようです。

木の板の上に繰り広がる無数の線の展開はまるでネットワークのように繋がってゆきます。

めくるめく伸びる壮大なネットワークのような広がりの上をさらに無数のひも状の展開が埋め尽くします。

反復されおり重なりながら新たなパターンへと受け継がれる絵画とでもいうのでしょうか、結果的になんとも言い難い美しさの作品に昇華します。

科学技術によるシュミレーションやネットワーク状の情報生成など創発の科学がこれからの芸術表現のキーになるのでしょうか。

TSCA